2013年5月11日土曜日

マツダ 3代目アテンザ(GJ) XD 6MT 試乗レビュー

さて、今回はマツダ新型アテンザ(GJ)の試乗レビューです。

以前の試乗「マツダ 3代目新型アテンザ(GJ) XD Lパッケージ(ディーゼル) 試乗レビュー」では、6ATでしたが、今回は6MTを試乗してきましたので、その試乗レポートになります。

試乗したのは「アテンザセダン XD 6MT」です。今回もセダンタイプになります。
このXDのグレードは6ATと6MTのタイプがある訳ですが、ミッション以外にも以下の装備の違いがあります。

  ・ディスチャージヘッドランプが標準装備(6ATはメーカーオプション)
  ・タイヤ・ホイールサイズが225/45 R19(6ATは225/55 R17)

この違いがあるためか、6MTは6ATと比べて126,000円高い、3,026,000円です。
この装備が価格に見合ってるかというと、「ちょっと高い」ような気もします。
マツダの場合はMTとATで価格差がないところも、MTを選択する場合はちょっと損している気分になりますが、MTの選択肢があるだけでも良し言えるかも知れません。

さて、車に乗り込んでみての第一印象は「内装はうーむ・・・」という感じでした。
デザインなどは悪くないのですが、300万円クラスの車の内装として見ると、ちょっと寂しい部分も感じられます。
それはシートの生地や全体的な質感であったり、シートなどの調整が全て手動だったりする部分で感じると思うのですが、「普通」感が強く漂います。

6ATを試乗した、「Lパッケージ」の時は内装の印象も良く、ちょっとプレミアムな車に乗っている気分にさせてくれましたが、6MTではそういった気分を感じることもありませんでした。
Lパッケージと比べると価格差が約40万円あるので、この辺りは仕方のない部分かも知れませんね。


シートに座り、シート調整をしてからクラッチペダルを踏み込むと、足が伸びきってしまうような状態になってしまいました。
他の車と比べてシート位置の調整感覚が、何となく異なりました。
単にぽんの足が短いだけのような気もしますが、シート調整は他の車を試乗した時より時間がかかってしまいました。
とは言うものの、最終的には適正なポジションに調整ができました。

3つのペダルはどれも適度な重さが感じられるものです。
スカスカでもなく、重すぎでもない。「車を操る」という感覚を適度に得られる重さというのでしょうか。
(アテンザに乗った後、マイカーのスイフトスポーツを運転した時には、各ペダル類の軽さに唖然としたほどです。乗り比べると、各ペダルは適度な重さを感じられる方がいいなぁと思ってしました)

シフトは結構なショートストロークで、シフトノブは結構な「太め」です。
シフトの節度感はスムーズでありながら「コクッ」「コクッ」と適度な感覚を得られ、好印象でした。

走り出してみると、クラッチはやや奥気味で繋がる印象でした。
クラッチペダルを完全に踏み込んだ状態を「10」、完全に離した状態を「0」とすると、「7」くらいで繋がる印象です。
ちなみに、デミオスポルト(DE5FS)は「8.5」、スイフトスポーツは「5.3」くらいで繋がる印象です。

クラッチの繋がり具合も難しいものではなく、神経質にならなくてもエンストするようなことは少ないと思います。とても操作がしやすく感じました。

走り出してからの印象ですが、軽い車に乗っているような感覚になりました。それくらい車が低回転からグイグイ前に進みます。
そしてアクセルペダルを踏み込めば爆裂加速が味わえます。うほっ。
あっという間に60km、80kmなんて速度には達してしまいます。
シフト操作も気持ちいいので、楽しく操作ができます。やはりMTをの方がATよりも細かいコントロールまで自在に行える印象を持ちました。

この加速感と力強いトルク感を自在に操れるのが、ディーゼルのMTならではの醍醐味と言えます。
また、高回転まで回した時の印象もディーゼルらしからぬ、意外にスーっと回っていくので、適度に回す楽しさも味わえます。もちろんガソリンエンジンと比べるのは酷ではありますが、ディーゼルエンジンとしては立派な領域に達していると思います。

エンジン音については、アイドリング中は「ガラガラ」と聞こえてきます。
また、走行中の音なんかもディーゼルっぽさを感じるもので、あまり気持ちのいい音とは言えません。
この辺りの印象は6ATを試乗した時と同じものでした。

ブレーキについては、重めのペダルと、カッチリ感のあるフィーリングがとても好印象です。
約1500kgの車重ですが、よく停まります。

アクセル操作についても、オルガン式のペダルで細かいコントロールも自在に行える印象でした。

各ペダル操作やシフト操作だけでも「運転している」という感覚を強く味わえ、結果的に楽しく運転が出来ると思います。

ここまではいいのですが、肝心のステアリング操作については、6ATでも感じたとおり「軽め」です。速度域が上がっても軽いままです。
操舵感はスポーティというよりも、ゆったり感のあるものです。キビキビ走るタイプとは異なります。
6ATの試乗の際には「適度なインフォメーションもある」と書きましたが、これについては訂正が必要かもしれません。
インフォメーションは薄めかなぁと感じました。全くない訳ではありませんが、ゆったり感の方を優先させている造りのような印象も受けました。
カーブなんかは、今回もあまり試せなかったのでなんとも言えませんが、ゆったり、楽に走り抜けるのかなという印象を受けました。この辺りも6ATの試乗の時の印象とは若干異なります。

各ペダルは重めなのに、ステアリングは軽いという、何とも難しい味付けだなぁと思ってしまいました。
「走る」「止まる」操作は、[操る]という感覚を強く味わえる代わりに、「曲がる」操作については「楽に」という感覚が強いイメージです。

ワゴンタイプではホイールベースが、やや短くなることもあり、ハンドリングについてもセダンタイプよりもスポーティさがあるのかも知れません。(あくまで想像ですが)

こんな感じで試乗を終えた訳ですが、6MTで搭載されている「SKYACTIV-MT」は、とても素晴らしいと感じました。
そのスムーズな操作感やダイレクト感は、やはり運転していて楽しいものでした。
ディーゼルエンジンであるため、ガソリンエンジンのように高回転まで引っ張るようなことは出来ませんが、それでも十分にその魅了は味わえます。

このMTモデル。営業さんに売れているかどうか聞いたのですが、「全然売れていない」とのことでした。試乗しに来る人は多いようですが、実際に売上まではいかないようです。
また、MT車は受注生産になるため、納期は2ヶ月程度はかかるとのことでした(3月時点の話です)。

これも営業さんから聞いた話ですが、社内で行われる新型車説明会?のようなものがあるようで、アテンザの時に参加した営業さんは「ガソリン仕様が中々よかった」と言っていたそうです。

何が良かったのかまでは分からないのですが、ディーゼルばかりに注目が集まるアテンザの中で、ガソリン仕様は大穴なのかも知れません。

そうなるとガソリン仕様にこそ、MTグレードがあってもいいのかもなぁなんて思ったりもしてしまいます。

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